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「AIっぽい文章」を直すSkillが2つで1組だった話 ── 入れてから、自分用に書き換えるまで

AIに書かせた記事を読み返して、間違いはないのに最後まで読めない、という経験がある。どこが悪いのか指摘できないまま、結局は自分で書き直すことになる。

その症状に名前を付けて規範にしたSkillが2つ、GitHubのGistで公開されている。作者はk16shikano氏。japanese-tech-writing と cognitive-rhythm-writing で、片方だけ入れても効果が出ないように作られている。

2つで1組になっている

cognitive-rhythm-writing のSKILL.mdには「作業前に japanese-tech-writing を読む」と書いてある。層が違うからだ。

japanese-tech-writing は語彙と文のレベルを扱う。禁止語のリストがそのまま入っていて、たとえばこういうものが並ぶ。

  • LLMっぽい空句 ──「重要なのは〜である」「本章では〜を探求する」「まとめると」「要するに」「〜に他ならない」
  • 空虚な形容詞 ──「不可欠」「核心的」「鍵となる」「根本的な」「多角的」「包括的」
  • 空虚な動詞 ──「掘り下げる」「深掘りする」「言語化する」「触れる」「言及する」
  • 翻訳調の比喩 ──「運ぶ」「開かれている」「露出する」「効く」「刺さる」「筋がいい」

cognitive-rhythm-writing はその上の層、文章全体の緩急を扱う。前提が変わっているのが面白いところで、密度の高い文章が退屈になるのは情報が多いからではなく、全文が同じ認知モードで書かれているからだ、という立て方をしている。

だから緩急を情報量の増減としては設計しない。読者の認知モードを観察→逡巡→断定→再観察と切り替えることで作る。そのうえで、文章のどこかに常に未回収の緊張を1つ開いておけと指示する。答えの出ていない問い、裏の取れていない確信、あとで返すと約束した答え。それが全部閉じた瞬間、読者は読むのをやめられる。

入れ方はGistのURLを渡すだけ

手順らしい手順はない。Claude CodeやCodexに、下の参考にあるGistのURLを渡して「このSKILL.mdを読んで、自分の環境に入れて」と頼めば済む。Claude Codeなら ~/.claude/skills/<名前>/SKILL.md に置かれる。

必ず2つとも入れる。cognitive-rhythm-writing は冒頭で japanese-tech-writing を読むよう指示しているので、片方だけだと土台が抜ける。

あとは記事を書かせるときに、この規範に従って書くよう一言添える。

入れただけでは足りなかった

この2つは7月中旬から話題になっていた。作者本人がXで告知し、AI活用アカウントのテツメモ氏(@tetumemo)が「こっそりAIっぽい文章から卒業する方法」という記事で取り上げている。130項目を1つずつ点検した、と書いてある。

うちもその流れで両方を手元に入れた。ただ、入れて終わりにはならなかった。

原文のままでは書き手の癖が残る

k16shikano氏は公開時に「SKILLは育てていくものですので、みなさんの手元でご自由に改変してお使いください」と書いている。実際、原文のまま使っていると素通りする言い回しがあった。

原典の禁止語リストは、LLMが書きがちな文章の型を先回りして止めるためのものだ。ところが記事に残るAI臭には、もう1種類ある。LLM特有ではないが、人が口では言わない言い回しだ。

  • 「〜と比べると話が早い」
  • 「長く戦える」「間違いない一台」
  • 「見た目だけで終わらない一台」

これらは原典のリストには載っていない。載っていないので通過する。そして読むと一発でAIが書いたと分かる。

もう1種類は、書き手の側の癖だ。同じテーマで書き続けていると、自分の中だけで通じる言い方ができてくる。「保管庫を切る」「懸念を潰す」のように、本人は普通に使っているが読者には何のことか分からない。これはAIの癖ではないので原典が想定しようもなく、書き手が自分で書き加えるしかない。

そこで禁止語を追加し、あわせて正規表現で機械検出するスクリプトを書いた。規範を読ませるだけだと、AIは指示を覚えていても平気で破る。書かせたあとに機械で当てて落とすほうが確実だった。

変えたのは直す工程ではなく書く工程だった

もう1つ、原典を読んだうえで運用のほうを変えた点がある。

AIに普通に書かせて、出てきた文章を「AIっぽさ修正プロンプト」に通す。この直し方だと、指摘された語を潰したそばから別の言い回しでAI臭が生え直す。モグラ叩きになる。

cognitive-rhythm-writing が生成側の制約として書いていることが、その理由を説明していた。拍や緊張の材料は、対象世界の出来事やデータ、書き手の判断状態からしか取ってはいけない。材料のない場所には何も書き加えず、平坦なまま残せ、と。裏を返せば、後工程の書き換えでリズムを作ろうとすると、材料がないところに文を書き加えることになる。それが新しいAI臭の正体になる。

だから直す工程ではなく、書く工程の入力を変えた。書き始める前に、同じジャンルで自分が実際に書いた過去記事を読ませてリズムを掴ませる。そのうえで初稿からそのリズムで書かせる。機械の禁止語チェックは最後の防波堤として別に残す。

LLMに採点させて90点を狙うのもやめた。採点者は「綺麗にまとまった文章」を高く評価する。点数を上げにいくと、整うほど機械的になる。

いま残っている宿題

この記事も規範を通して書いた。それでも、機械チェックが0件でも「熱量がない」「読ませる力がない」は検出できない。そこは結局、自分の過去記事と読み比べるしかない。

k16shikano氏が「育てていくもの」と書いたのは、たぶんこのことだ。配られた時点では他人の規範で、自分の文章に当てて初めて、足りない行が見えてくる。

参考

この記事は Claude Opus 5 が執筆しました。

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