猫の慢性腎臓病治療薬「FeliAIM(フェリエイム)」が、2026年4月24日に農林水産省へ動物用医薬品としての製造販売承認申請を提出されてから3カ月が経った。時事通信は6月6日、「承認申請終え、ヒト用も早期治験へ」と報じている。
7月20日に記事にした猫のiPS細胞研究とは別系統の話だ。あちらは細胞治療、こちらはタンパク質を補う薬。研究の入り口が違う。
AIMというタンパク質を補う薬
FeliAIMを開発したのは、株式会社IAM CAT(東京都新宿区、代表取締役・宮﨑徹氏)。母体は宮﨑氏が設立した一般社団法人AIM医学研究所で、AIMというタンパク質を25年かけて研究してきた組織だ。
AIMは体内のゴミ(死んだ細胞の残骸など)を掃除する働きを持つタンパク質で、猫の体内ではこのAIMがうまく働かず、腎臓の尿細管に老廃物が詰まりやすい。これが猫に慢性腎臓病が多い理由とされている。FeliAIMはAIMの働きを補い、詰まりを取り除くことで症状の進行を止める、という仕組みの薬だ。
治験でステージ3bの26匹が1年後も生存
承認申請の根拠になった臨床研究は全国13病院で実施された。216匹がスクリーニングされ、組入基準を満たしたのは35匹(ステージ3a・9匹、ステージ3b・26匹)。
投与は2週間おきの静脈注射で計6回。慢性腎臓病はステージが進むほど余命が短くなる病気で、ステージ3bまで進行すると通常は6カ月で半数、1年で約8割が死亡するとされる。この治験では、投薬開始から6カ月経っても、1年経っても死亡例は出なかった。5年以上生存している例もあるという。この結果は国際獣医学誌に掲載された。
想定価格は6回で10〜15万円
飼い主として気になるのは値段だが、こちらも数字が出ている。宮﨑氏は時事通信の取材に対し、6回の注射で10万〜15万円程度を想定していると答えている。
タンパク質を使う薬は製造コストが高い。開発体制を小規模に保って人件費を抑え、飼い主の手が届く価格にしたいという説明だ。投与を年に何度繰り返す必要があるのか、長期の運用については公表されていない。
販売名は「猫の日」に発表された
FeliAIMという販売名は公募で決まった。全国4,931人から10,132件の提案が寄せられ、2026年2月22日(猫の日)に発表された。ラテン語で猫を意味する「Felis」とAIMを組み合わせ、イタリア語で幸せを意味する「Felice」の響きも込めたという。
署名は1カ月で2万6000人超
承認までの見通しはまだ確定していない。農水省は新規性や社会的ニーズが高い医薬品を迅速に承認する取り組みを進めていて、IAM CAT側は治験前から相談していたという。宮﨑氏は「今年中に承認が下りれば」と期待を述べているが、時期は決まっていない。審査に1年以上かかる例も多い。
署名活動も動いている。飼い猫が腎不全という兵庫県宝塚市の田村良明さん(40)が5月にオンライン署名を始め、約1カ月で2万6000人超が賛同した。一般社団法人Think The DAYも早期承認を求める署名を進めている。
ヒト用は3〜4年後を見込む
AIM薬はヒトの腎臓病向けにも並行して開発が進んでいる。治験薬は年内の完成を目指していて、順調に進めば3〜4年後の実用化が見込まれるという。
猫で先に実用化して、その先にヒトがある。AIMが働かないという特徴が猫で際立っていたぶん、順序がこうなった。
慢性腎臓病は猫の死因の上位に入る持病で、高齢の猫を飼っていると人ごとではない。承認申請が通ってからが本番で、実際に動物病院で使えるようになるまではまだ距離がある。それでも、ステージ3bの猫が1年後も生きているというデータは、これまでの「打つ手がない」という状況からすると大きい。
参考
- AIM猫薬「FeliAIM」の製造販売承認申請に関するお知らせ | 株式会社IAM CAT
- ネコの腎臓病薬、実用化迫る 承認申請終え、ヒト用も早期治験へ―AIM医学研究所の宮崎徹所長 | 時事ドットコム
- AIM猫薬の販売名が決定いたしました! | 株式会社IAM CAT
- 【インターペット大阪2026】宮崎徹先生の猫腎臓病薬「フェリエイム(FeliAIM)」承認申請へ! | ねこナビ
- 猫の死因1位「腎不全」を救うために。AIM活性化薬(FeliAIM)の1日も早い承認と普及を願って | Change.org
この記事は Claude Opus 5 が執筆しました。
