米国のMatic(マティック)が2026年8月13日、ロボット掃除機を音声とジェスチャーで動かす「Matic Cues(マティック・キューズ)」を公開した。
コーヒーをこぼした床を指差して「Hey Matic, clean this」と言う。ロボットは声のした方を向き、指の先を見て、その場所を3次元で特定してから掃除に行く。スマホを取り出す動作がまるごと消える。既存のMaticには無償のOTA更新で配信済み。
発表時の2分の映像がわかりやすい。子どもが床のこぼれを指差して「Clean this spill up」と言うところから始まる。
本体価格は1,245ドル。ほしい。
ただし公式サイトの配送先は米国内のみで、日本からは注文できない。
指差した先が座標になる
Matic Cuesでできることは3つある。
「Hey Matic」と呼ぶと、ロボットは声のした方向を割り出して振り向き、こちらを見る。「follow me」と言って歩き出すと後ろをついてくる。「go clean the living room」と言えば、すでに持っている家の間取りと照合して、勝手にリビングへ行って掃除を始める。
指差しはこの3つ目とつながっている。ラグの端、テーブルの脚の間、いま落としたパンくず。部屋名では呼べない場所を、指の向きから3D空間の一点として解釈する。「Hey Matic, vacuum the dining room rug and then mop the bedroom」のような、複数の動作をつないだ言い方も通る。

対応言語は70以上。X(旧Twitter)での告知では75言語と書かれている。Maticは「5歳の子どもと80歳の人が同じように使える」と説明していて、要するにアプリを開かせないことがこの機能の狙いだ。
映像は本体の中、音声はまだクラウド
Maticは本体に5つのカメラを積んでいて、そこから家の3Dモデルを作っている。ラグとフローリングを見分け、靴やケーブルを物体として認識する。処理は本体のNVIDIA Jetson Orin(RAM 4GB)上で回っていて、映像データは所有者が明示的に同意しない限りクラウドへ出ない。
家の中をカメラ付きの機械が走り回るのは正直こわい、という感覚に対して、Maticはずっとこの構造で答えてきた。カメラだけで自律走行させる仕組みは、公式が技術解説の動画を出している。

ところがCuesの音声解釈は、現時点ではGoogle Geminiをクラウド側で呼んでいる。プライバシーを売りにしてきたMaticの機能で、初めてインターネット接続が必須になった。共同創業者のメフル・ナリヤワラ(Mehul Nariyawala)氏は「利点の8割はオンデバイスで実現できる」と言っていて、いずれローカルに移す計画らしい。いまは未実装。
Gizmodoのレビューでは、ロボットが角を曲がるとユーザーを見失いやすい、という指摘も出ている。追従はまだ完璧ではないようだ。
Maticは2017年創業。累計1億1,500万ドルを調達して、この操作にたどり着くまでに9年かかった。すでに13,000世帯が使っていて、WIREDは10点満点の10点を付けている。同誌がハードウェアに満点を出したのは10年ぶりだそうだ。
1,245ドル、9月9日から1,495ドル
いまの本体価格は1,245ドル(本体1台+ドック1台)。これは250ドル引きの価格で、9月9日に1,495ドルへ戻る。レビュー機が出回っていた頃は1,095ドルだったので、じわじわ上がっている。
- 本体サイズ:長さ11インチ×幅9.4インチ×高さ7.8インチ
- 稼働時間:掃除機モードで最大2.5時間、モップモードで最大3時間
- 動作音:掃除機55dB、モップ52dB
- 保証1年、6か月間の返金保証つき
- 設計・組み立てはカリフォルニア

集塵ステーションが給水も温水洗浄も温風乾燥もやる日本のフラグシップ勢と比べると、ドックまわりの豪華さでは負けている。Maticが売っているのはそこではなくて、「言えば分かる」ことのほうだ。
日本では買えない
maticrobots.comの配送は米国内のみ。48州は送料無料だが、国際配送はやっていない。日本の代理店も見当たらない。
仮に転送サービスで持ち込んだとしても、電源は120V前提だし、無線機を積んでいる以上は技適の問題が残る。国内モデルが出ない限り、素直に使える状態にはならない。
Matic自身はまだ米国市場を取りにいく段階で、ローンチ記念にサンフランシスコとニューヨークの300世帯を無料で掃除して回るキャンペーンをやっている。海外展開の話は今のところ出ていない。

会社としてどこを狙っているかは、この動画のタイトルにそのまま出ている。「ルンバの次に来るのはヒューマノイドではなくMaticだ」。
しばらくは指をくわえて見ているしかない。
いま日本で買えるもの
指差しで場所を伝える、という体験そのものは国内では手に入らない。ウェイクワードでの呼び出しと部屋ごとの掃除指定までなら、現行のフラグシップでもできる。
- 3万6,000PaはRoborock史上最高の吸引力
- 二段階の脚部構造で最大8.8cmの段差を突破
- RockDockが100℃温水洗浄・自動給水排水まで担当
- 二関節アーム「ProLeap」で最大6cm段差を突破
- モップが本体から4cm伸長し壁際まで届く
- 6-way全自動ドックが給水・洗浄・集塵を一括
吸引力・段差・ステーション機能の比較はルンバ・Roborock・Ecovacs・Dreame、フラグシップロボット掃除機を比較したに書いた。
Maticが競合として見ているのは中国勢だ。Gizmodoによれば、Eufy Omni E28とNarwal Freo Z10 Turboにも部屋を指定して掃除させる機能はすでにある。差がついているのは機能の有無ではなく、指示の出し方のほうだ。
参考
写真と動画はすべてMatic Robots公式のもの。
- Matic Cues lets you just talk to your robot vacuum or point at a mess to clean(9to5Mac)
- Matic’s Robot Vacuum Will See (and Hear) You Now(Gizmodo)
- Home Cleaning Robot Maker Matic Releases ‘Matic Cues’(The AI Insider)
- Shop Matic(Matic公式)
- Matic Robots の告知投稿(X)
この記事は Claude Opus 5 が執筆しました。


