ソニーの「1000X THE COLLEXION(WH-1000XX)」、値段を見た瞬間にちょっと固まった。ソニーストア価格は89,100円(税込)。普通のノイズキャンセリングヘッドホンとして見ると高い。だが、AirPods Max 2やB&W Px8 S2と同じ棚に置くと、話が変わってくる。
これはWH-1000XM6の後継ではない。ソニーの1000Xシリーズ10年分を、音質・素材・装着感・所有感に振った別ラインだ。だから「ノイキャン最強ならXM6でよくない?」という問いと、「9万円のヘッドホンとして欲しくなるか?」という問いを分けて考えたほうがいい。
WH-1000XM6より高い理由は、機能表ではなく装着感に出る
1000X THE COLLEXIONは、WH-1000XM6より薄いハウジングを狙ってバッテリーを2分割している。PHILE WEBによると、XM6比で約5.2mm薄型化し、耳が内側に当たりにくい空間を確保した。重さは約320g。XM6より軽いわけではないが、耳まわりとヘッドバンドの当たりをかなり作り込んでいる。
この方向性はわかる。高級ワイヤレスヘッドホンは、スペックより先に「長く着けていられるか」で差が出る。ノイキャンが強くても、2時間で頭が痛くなるなら使わなくなる。逆に装着感が良いと、音楽を聴いていない時間でも机に置いておきたくなる。
AirPods Max 2はApple製品との相性と金属筐体の存在感が強い。ただしApple公式の訴求を見ても、USB-C経由のロスレスやH2チップ、Adaptive Audioなど、Apple環境込みで価値が出るモデルだ。iPhone、Mac、Apple TVで固めているなら強い。AndroidやWindowsも混ざるなら、ソニーのほうが扱いやすい場面は多い。
音質は「派手さ」より空間と見通し
1000X THE COLLEXIONは、本機専用の30mmドライバーを積む。ドーム部には一方向カーボン積層コアコンポジットを使い、ボーカルの分離感と高音域の再現性を狙ったと説明されている。統合プロセッサーもV3になり、ソニーのヘッドホンとして初めてDSEE Ultimateに対応した。
国内ではPHILE WEBの比較レビューがわかりやすい。音場の広さや分離の良さを評価しつつ、B&W Px8 S2のような音質特化機とは狙いが違う、という整理だ。海外では英国の老舗オーディオ誌 What Hi-Fi? も、解像感や広がりを評価する一方で、勢いや低域の押し出しで引っ張るタイプではないと見ている。
この時点で、合う人と合わない人が分かれる。通勤中にロックやEDMを気持ちよく鳴らしたいなら、もっと安いXM6でも満足しそうだ。夜にジャズ、ボーカル、映画音声をゆっくり聴く。音の輪郭や残響を追う。そういう使い方なら、9万円の理由が見えてくる。
ノイキャンは高い。でも最強狙いならXM6でいい
ノイズキャンセリングは、XM6と同じQN3と12個のマイク構成を使う。ただしイヤーパッドや構造が違うため、ソニー側もXM6よりわずかに下がると説明している。
「最強ノイキャンだけ」が目的なら、1000X THE COLLEXIONを買う理由は弱い。価格も重さもXM6のほうが現実的だし、折りたたみ機構もある。1000X THE COLLEXIONは折りたためない。ケースは薄型化されているが、持ち運び最優先の人にはXM6のほうが向いている。
逆に、1000X THE COLLEXIONはノイキャンを捨てていない。そこがB&W Px8 S2との違いになる。PHILE WEBの比較レビューでは、Px8 S2は音質では上に見える場面がある一方、ノイキャンや外音取り込みなどの機能面では1000X THE COLLEXIONが強い、という整理だった。音だけで選ぶならB&W、総合力ならソニー。線引きははっきりしている。
AirPods Max 2、Px8 S2、1000X THE COLLEXIONの分かれ道
この3台は、値段が近いようで買う理由が違う。
| 機種 | 向いている人 | 弱点 |
|---|---|---|
| 1000X THE COLLEXION | Androidも使う、ノイキャンも音質も装着感も全部ほしい | 折りたためない、USB-Cデジタル音声入力なし |
| AirPods Max 2 | Apple環境でロスレス、空間オーディオ、自動切替を使い倒す | Apple外では魅力が減る、重さが気になる |
| B&W Px8 S2 | 音質と素材感を最優先する | ノイキャンや外音取り込みはソニーほど強くない |
- Apple製品との自動切替や空間オーディオが強み
- USB-C経由のロスレス再生を重視する人向け
- Apple環境中心なら比較候補に入る
1000X THE COLLEXIONの惜しい点は、USB-C端子が基本的に充電用で、デジタル音声入力に使えないことだ。3.5mmアナログ入力はある。だがこの価格帯なら、USB-C一本で低遅延・高音質の有線接続までやらせてほしかった。AirPods Max 2はUSB-C経由のロスレスと低遅延を前面に出しているので、ここはソニー側の明確な弱点だ。
それでも、個人的に一番ひっかかるのは「所有欲」だ。最近のソニーは、ガジェットとして強いだけでなく、身につける物として成立させようとしている。1000X THE COLLEXIONはその方向にかなり振った製品に見える。性能だけで選ぶならXM6でいい。でも机に置いて眺めたい、革っぽい質感や薄いケースまで含めて好きになれるなら、9万円でも候補に入る。
- ソニー・Apple・B&W・Boseを横断して探せる
- 装着感と重さはレビュー確認必須
- 高級機はUSB-C音声入力の有無も見たい
結論: 1000X THE COLLEXIONは「XM6の上位互換」ではない
1000X THE COLLEXIONを、XM6より高いから全部上だと思って買うと外す。ノイキャン最優先ならXM6、Apple連携ならAirPods Max 2、音の質感を突き詰めるならPx8 S2が強い。
1000X THE COLLEXIONを選ぶ理由は、ソニーのノイキャンと使い勝手を残したまま、もっと良い装着感と素材感、広い音場を求める場合だ。約9万円は高い。でも、毎日数時間つける道具として考えるなら、試聴して頭と耳に合うか確認する価値はある。
参考
- ソニー、最上位ANCワイヤレスヘッドホン「1000X THE COLLEXION」。約9万円(PHILE WEB)
- ソニー「1000X THE COLLEXION」レビュー。AirPods Max 2やB&W「Px8 S2」などライバル機とも比較(PHILE WEB)
- AirPods Max 2 - Apple
- Sony 1000X The Collexion(What Hi-Fi?)
- Sony 1000XX the Collexion headphones review(The Guardian)
この記事は GPT-5 Codex が執筆しました。



